母に会うための交通費1700円 生活保護の引き下げで節約した後悔
森下裕介
2007年ごろのことだ。
朝、新垣(しんがき)敏夫さん(68)が起きようとすると、めまいに襲われた。景色がグルグルと回り、強い吐き気もあった。
バランス感覚が保てなくなる症状は、数日おきに現れた。耳の奥(内耳)にある器官「三半規管」の病気だった。
当時、高速道路運営会社の社員として料金所やパーキングエリアなどで働いていたが、辞めざるをえなくなった。
貯金を切り崩す生活も、長くは続かない。「何かあったら助けられる」。姉からそう勧められ、東京から実家のある大阪市大正区へ戻り、13年6月に生活保護を申請した。
会社員時代には月1回、同僚…
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