「幻の橋」切手に 北海道のタウシュベツ川橋梁 日本郵便が発売

中沢滋人
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 発電用ダム湖の水位変化で見え隠れするため、「幻の橋」と呼ばれる上士幌町の旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」。日本郵便北海道支社が、「崩落間近」と呼ばれて久しい橋の姿をまとめたオリジナルフレーム切手を作った。十数年間にわたり、橋の姿を撮り続けてきた十勝在住の写真家・岩崎量示さんの作品を採用。大雪山国立公園の自然に抱かれた橋の、様々な情景がまとめられている。

 タウシュベツ川橋梁は1937年に建設されたコンクリート製の鉄道アーチ橋。戦後、ダム建設で水没区域に入り、55年に鉄道橋としての役目を終えた。ダム湖の中にある独特な光景が雑誌や観光ポスターで紹介され、町を代表する観光地の一つになっている。

 地域限定のフレーム切手は、地元のぬかびら源泉郷郵便局が企画した。岩崎さんが撮りためた写真の中から、ここ10年ほどの姿を中心にまとめた。

 残雪を抱いたニペソツ山との姿や鏡のような水面に橋の姿を反射させた定番の光景のほか、橋の上空で虹がアーチを作った光景、湖面の上昇が遅かった2020年秋、沈まない橋のたもとで鹿がたたずむ珍しい光景も納められている。

 岩崎さんは「崩落があまり目立たない、タウシュベツ川橋梁らしい写真を選んだ。東大雪の大自然の中にあるコンクリートアーチ橋の雰囲気を感じてもらえれば」と話している。

 オリジナルフレーム切手は1シートに84円切手10枚入りで、税込み1500円。限定700シート。十勝地方の郵便局を中心に道内107局で販売している。ネットでは15日午前0時15分から「郵便局のネットショップ」(https://www.shop.post.japanpost.jp/別ウインドウで開きます)で取り扱う。(中沢滋人)

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