同性愛者のウガンダ人女性、難民の不認定処分を取り消し 大阪地裁

森下裕介
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 アフリカ東部ウガンダ出身で同性愛者の30代女性が「帰国すると迫害される恐れがある」として、国を相手取り、難民と認めることなどを求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁であった。森鍵(もりかぎ)一裁判長は「同性愛者であることを理由に、恣意(しい)的な身柄の拘束を受ける可能性がある」として、女性を難民と認定。不認定処分を取り消した。

 訴状によると、女性は2020年2月、ブローカーから入手したパスポートと短期滞在ビザを使って関西空港から入国しようとしたが、大阪出入国在留管理局に収容された。難民認定を求めたが、同年4月に不認定とされ、退去強制処分を受けたため、提訴した。

 訴訟で女性側は、ウガンダでは同性間の性行為が違法とされており「帰国すれば身体的・精神的な迫害を受ける可能性が極めて高い」とし、難民と認めるべきだと主張。現地の警察に拘束・暴行された経験があるとし「難民条約は迫害の恐れがある人の送還を禁じており、退去強制処分は条約違反だ」とも訴えた。

 国側は、同性間の性行為を違法とする法律を理由にウガンダで有罪判決を受けた人はいないと反論。女性側から提出された傷の写真は「警察の暴行によるものか不明」なうえ、現地の警察では、性的少数者の権利保護に関する研修などが行われており「迫害の恐れがあるとはいえない」として請求棄却を求めていた。

 判決を受け、出入国在留管理庁は「判決の内容を十分に精査し、適切に対応したい」とコメントした。(森下裕介)

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