極寒の北極圏、海氷の下で直面する困難 米海軍潜水艦に同乗した

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Kenny Holston, John Ismay/The New York Times 翻訳=小暮哲夫/朝日新聞GLOBE編集部
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Inside a Navy Submarine Navigating the Arctic

 攻撃型潜水艦「ハンプトン」の船上から――原子力潜水艦に乗るアメリカ海軍の水兵たちはこれまで長い間、戦時にロシアの潜水艦を追跡する技術を北極圏で訓練してきた。しかし、ロシアが北極圏での軍事行動を拡大するなか、アメリカの潜水艦部隊はいま、この世界の果てで、戦闘技術を磨いている。

 3月のある日、全長360フィート(約110メートル)、トマホーク巡航ミサイルと魚雷を搭載した攻撃型潜水艦の黒い金属製の船体が、ボーフォート海の分厚い氷を突き破って進んでいた。軍事演習「アイスキャンプ」の最中だ。

 ハンプトンに乗船している152人の水兵の多くにとっては、初めての巡航である。

 水兵たちが操縦し、ソナーや無線、兵器の制御装置を監視する潜水艦の心臓部で、ジェイコブ・グリーン曹長が、任務をこなす下級士官や乗組員たちを指導している。

 みな、彼を「コブ(cob=チーフ・オブ・ボート)」と呼ぶ。

極寒の海で航行を続ける米海軍の潜水艦。過酷な任務にあたる水兵たちがどんな日々を送っているのか。NYTの記者が取材・撮影しました。

 北極圏での潜水艦の活動はと…

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