学生が運営するビーチスポーツイベント 震災復興から活性化へ 福島

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木村健一
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 太平洋に面した福島県北東部、相馬市の原釜尾浜海水浴場は白い砂浜と遠浅の海が広がる。地元の相双ビーチバレーボール連盟の加藤修吾会長(45)は、「震災から5、6年はビーチバレーをやっている場合じゃなかった。地元の人の目も気になった」と言う。

 その浜辺で昨年7月末、スポーツを楽しむ「ビーチフェスタ」が開かれた。ビーチバレー大会に、ボードを立ってこぐ「SUP(サップ)」や細いベルトの上を歩く「スラックライン」……。子どもから大人まで約400人が集まった。

 フェスタは2018年、海水浴場の8年ぶりの再開に合わせて始まった。スポーツを通じた被災地の活性化を研究する蓮沼哲哉・福島大准教授(45、スポーツ社会学)の授業の一環として、学生たちが企画や運営を担う。リーダーだった田河原篤史さん(21)は「子どもの笑顔が、たまらなくうれしかった」と話す。

 岩手県田野畑村出身。東日本大震災の津波で父と祖父、自宅を失った。被災当時は食料や文房具、野球用具の支援も受けた。そして13年、野球教室を開いてくれたプロ野球・楽天が日本シリーズを制すと、スポーツが持つ力を実感した。

 「いろんな人たちが僕たちを支え、夢や希望をくれた。スポーツは感動や元気を届けてくれる。今度は自分が福島の子どもたちに何かしたかった」

 相馬市は、昔からバレーボー…

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