品川・世田谷…相次ぐ給食無償化、杉並はできず 東京内格差の理由は

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 4月から学校給食の無償化を打ち出す自治体が相次いでいる。東京都内では新年度、9区1市が実施を予定する。一方で「財源がない」「国としてやるべきだ」といった理由で実施に慎重な区や市も多く、子育て世代の負担を巡って自治体間で格差が生じている。

 「子育て家庭の負担と不安を減らし、子育て・教育で選ばれる品川区にする」

 東京都品川区の森沢恭子区長は2月、新年度の目玉事業の一つとして無償化を発表した。区立の小中学校、小中一貫校の計46校に通う2万3千人が対象。所得制限なしに全額を負担する。経費13億4千万円を2023年度予算案に計上した。

 東京23区で人口が最も多い世田谷区も4月から全額負担する。対象の児童生徒は5万人で、予算案で見込んだ経費は26億5900万円。財政調整基金を取り崩すなどするといい、期間は「まずは1年間」とした。

 中央区は小中学校に加え保育所でも無償化する。米を除いた給食費は1食あたり250~300円程度といい、区は「子ども1人あたり年間5万円程度の負担軽減につながる」とみる。荒川区は区立幼稚園に弁当給食を提供する計画だ。

 練馬区は第2子以降を対象にする。3月1日、新年度の補正予算で対応することを急きょ発表した。担当者は「給食費は子どもが2人いれば2人分、3人いれば3人分かかる。多子世帯の経済的負担を軽減することが目的で、他区の無償化とは目指す方向が異なる」と説明する。

 財政に比較的余裕があるとされる東京23区では、葛飾区が22年秋に無償化方針を発表したことを機に、子育て支援の切り札として、無償化の表明が続く。9区のうち、中央、台東、世田谷、北、足立の5区は今春に区長選を控えている。

「私立校に通う家庭にはメリットない」

 疑問を示す首長もいる。

 杉並区の岸本聡子区長は「前…

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