第3回非正規のループから抜け出せない シングル中高年女性の見えない困窮
上司が「バイトでも正社員であっても、仕事は同じようにやってもらう」と話すたびに、複雑な気持ちになる。たしかに業務だけを比べると、誰が正社員かは分かりづらい。
だが、首からぶら下げている社員証をみると、一目瞭然だ。正社員、自分のような直接雇用の非正規社員、派遣社員で色分けされているからだ。社員証を見るたびに、自分はバイトでしかないことを思い知らされる――。
月収20万円、賞与はなし
京都府在住の女性(47)は、関西の企業で、海外マーケティング部署のバイトとして働く。
働き始めて4年目。以前は、ある大手メーカーの派遣社員として、6年間働いた。中南米十数カ国を相手にしたウェブ広告の運用を、ほぼ一人で担当。その経験は今の仕事に大いに関連していると思う。
だが4年前、今の職場の採用面接を受けた際、「派遣だった」という理由で、過去の実績は考慮されなかった。提示されたのは、3カ月更新のアルバイト契約だった。
いつまでたっても非正規雇用のループから抜け出せないーー。女性は怒り、むなしさを抱えて生きています。記事の後半では、中高年シングル女性の暮らしぶりに関する調査や、問題解決のための課題について紹介しています。
正社員は半期ごとに目標が設…
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- 【視点】
国際女性デーに女性に関する多くの記事が出ましたが、中でも、非正規雇用で働く中高年女性に関する一連の記事が目を引きました。 「中高年シングル女性を支援する政策は乏しい」 「昨春に成立した困難女性支援法の 対象も、主に若年女性やシングル
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