セクハラ謝罪の弁護士、原発集団訴訟を主導 原告から憤りと失望の声

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編集委員・大月規義 滝口信之
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 東京電力福島第一原発事故で被害を受けた福島県民などが国と東京電力に賠償を求めた集団訴訟(生業訴訟)の弁護団事務局長を務めていた馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士(47)が1日夜、自身のブログで裁判で代理人を務めた依頼者に「セクハラを行ってしまった」などと謝罪した。各地の集団訴訟を引っ張ってきた馬奈木氏に、関係者からは憤りの声が上がった。

 馬奈木氏のブログによると、数年来の知人だった相手に好意を抱き、相手も好意を寄せていると思い込み、体を触れたり、性的な関係を迫るなどするメッセージを送ったりしたという。昨年末に所属する弁護士会に相手から懲戒請求書が届き、関係を望んでいなかったことを知ったという。自ら「卑劣で、許されない行為」とつづった。

原発訴訟の原告 「期待と希望を裏切った」

 生業訴訟の中島孝・原告団長によると、1月中旬に開かれた原告団の合同会議に、馬奈木氏はオンラインで参加し、セクハラについて謝罪したという。

 原告団からは「解任すべきだ」との意見も出た。しかし、中島団長は「問題の全体像が分からない段階なので、解任ではなく、体調不良で交代させる」と決断した。

 中島団長は取材に「ブログを読むと、とんでもない内容で、被害者に誠実に謝罪すべきだと思う」と話した。そのうえで、「訴訟を通じ原告一人ひとりが、原発政策をやめさせないと再び事故が起きるという問題意識を持った。我々は馬奈木氏の問題で足を止めるような、情けない原告団ではない」と説明した。

 生業訴訟の原告の50代男性…

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