幕末の洋式大砲の図面を紛失、盗難の可能性も 博物館「管理ずさん」
永沼仁
埼玉県川越市は28日、市立博物館で保管していた幕末の洋式大砲の図面「二十四ポンド長銅筒(ながどうづつ)五分一之図」を紛失したと発表した。5年前に収蔵庫にないことに気づき、10万点を超す収蔵資料の整理を始めたが発見できず、盗難の可能性もあるとして今年2月に警察に相談した。
図面は、川越鋳物師だった小川家に伝わる市指定文化財「小川家文書」の一つ。川越藩が外国船の来航に備えて御台場警備を命じられた際に発注した大砲の図面で、縦30センチ、横80センチの和紙に墨書されている。
市は1990年、常設展示資料として小川家から借用し、2004年からは寄託資料に切り替えて保管してきた。18年に閲覧希望があった際、収蔵庫にないことが判明した。
大沢健館長は会見し「前任者から引き継ぎもなく、資料の履歴も分からず、整理に時間を要した。ずさんな管理をしてしまった」と話した。
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