日本語学校とトラブルのウクライナ学生 「難民貴族より一般人で…」

川村さくら
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 ロシアによる侵攻後にウクライナから避難してきた学生らと、受け入れ先の学校法人「ニッポンアカデミー」(前橋市)の間で起きた学費の支払いをめぐる問題で、学生の1人が27日、群馬県庁で会見を開いた。「一定期間は授業料が無償」と説明されたと訴えており、学生は日本語で「願いはたった一つ、約束を果たしてほしい」と話した。

 この問題をめぐっては、学校側が無償の期間について「自立するまでという意味だった」と訴え、学費の支払いを要求している。

 会見したのは現地の大学で日本語を学んでいたルニン・ヴラディスラヴさん(24)。来日前に「授業料は半年間無償」と説明されたが、昨年7月の来日後に渡された資料に「アルバイトで十分なお金を得られるまでの目安として6カ月」とあり、10月ごろ約26万円を請求された。在日ウクライナ大使館などに同額を寄付する選択肢も示された。

 寄付は学校を通した送金を求められたが、ルニンさんは学校を信じられず、直接寄付した。ただ、学校から支払いとは「認められない」とし、「支払わないならアパートから追い出す」と言われたという。

 法人の清水澄理事長は24日の会見で、避難民について、支援が過剰として「難民貴族」と表現した。ルニンさんはこの日、「その言葉は侮辱のために使われた。難民貴族より(戦争のない)平和なウクライナの一般人でいたかった。そうしたら多くの人は死ななかった」と顔をゆがませた。ルニンさんは現在も通学を続けているという。(川村さくら)

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