「いじり」で追い詰められた心 大学生はサークル仲間に硫酸をかけた
二度と僕に関わらないでほしい――。男はこんなふうに思い詰め、大学時代のサークル仲間に硫酸をかけた。かつてともに映画研究会で時を過ごし、沖縄県内をドライブしたこともある彼らに何があったのか。
2022年9月20日、被告の男(26)は上下黒のジャージー姿で東京地裁の法廷に現れた。
21年4月に沖縄県の琉球大学で男性(当時22)の顔を殴ったという暴行罪と、同年8月24日夜、東京都港区の東京メトロ白金高輪駅で、別の男性(当時22)に硫酸をかけ、顔や腕に約3カ月のやけどを負わせたという傷害罪で起訴されていた。
裁判では、被害者の特定を避けるために、殴られた男性をAさん、硫酸をかけられた男性をBさんと呼ぶことになった。
被告は背中を丸めて証言台に立ち、「間違いありません」と二つの起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、被告は17年4月、琉球大学の2年生になった時に映画研究会に入った。同時期に入ったのは6人で、その中に当時大学1年だったAさん、Bさんもいた。
吐くまで大食い競争
「被告はいじられキャラだった」。検察は被告と2人の関係をそう表現したが、被告の受け止めは違っていた。
被告人質問で詳細が語られた。
弁護人「2人とはどういう関係だったのか」
被告「最初はあいさつ程度だ…
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