「戦争は、誰の想定どおりにもならない」 ウクライナ侵攻から1年

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牧野愛博
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 ロシアによるウクライナ侵攻から間もなく1年になります。防衛省防衛研究所の山添博史主任研究官は当初、これほどの長期戦になると見通せなかったと語ります。「プーチン大統領が目標を達成するか、あきらめる時が、侵攻が終わる時だ」とも指摘します。

 ――侵攻直後、どんな見通しを持っていましたか。

 しばらくは、中長期的な見通しを持つ考えに至りませんでした。2008年のロシアによるジョージア侵攻は5日間で終わりました。14年のクリミア強制併合では、武力紛争すら起きませんでした。片方が他方を圧倒すれば、紛争状態は短期間で終わります。昨年2月24日の時点ではウクライナが抵抗することだけは確信していましたが、どのように終わるのかまで考えられませんでした。

 ロシアが5月9日の戦勝記念日の際、大規模兵力動員の手を打たなかった時、ロシアも短期決着を期待できず、長期戦の構えに入ったと思いました。朝鮮戦争は休戦まで3年、ソ連のアフガニスタン侵攻は、撤退まで10年かかっています。

 たとえ、ロシアがウクライナ…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年2月23日0時35分 投稿
    【視点】

    「戦争は、誰の想定どおりにもならない」という山添さんの仰ることはその通りだと思う。ゆえにあらゆる想定に対応できるように軍備を整えようとすると、過剰な軍備となり、それが相手の警戒を高め、更なる軍備の増強につながり、それがこちらの軍備増強に…と

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