不通の蟹田―三厩間、JRが沿線住民に説明 鉄道存続求める声多く

土肥修一

 昨年8月の大雨で被災し、不通が続くJR津軽線の蟹田―三厩間について、JR東日本盛岡支社は12日、沿線の青森県今別、外ケ浜両町の住民に対し、復旧や今後のあり方に関する説明会を開いた。4カ所の会場に計約100人が参加。住民からは鉄道の存続を求める声が相次いだ。

 不通区間をめぐっては、県や今別、外ケ浜両町、JR東が1月、復旧や維持・管理のあり方について協議する検討会議を設置。今回の説明会は、検討会議の議論に住民の意見を反映させるために開かれた。

 今別町の荒馬の里活性化センターで12日にあった説明会には、住民35人が参加。JR東の担当者が、鉄道の復旧には少なくとも4カ月かかり、費用は6億円程度にのぼることや、蟹田駅の隣の中小国駅から三厩駅の利用者数が大きく減少していることを説明した。

 住民からは、「復旧の工事費をかけたくないことがみえる」「県出身者がふるさとに帰るとき、鉄道がないのはあり得ない」「(高齢で)車が運転できなくなれば、頼るのは鉄道だ」などと、鉄道の復旧を求める声が多く出た。

 これに対し、JR東は、たとえ鉄道で復旧しない場合でも、「地域の交通ニーズを満たす形を実現していく」と説明した。

 説明会に参加した今別町の男性(70)は、通院などで青森市内へ行くのに津軽線を使っていたという。「今別は新幹線の駅もあり、観光地。(JRには)町と一緒になって人が来るように宣伝して、復旧すると前向きな決意で取り組んでほしい」と求めた。

 終了後、久保公人・JR東日本盛岡支社長は「(鉄道を)残してほしいとの声はあったが、津軽線の状況や、どんな選択肢があるかは理解してもらえたのではないか。意見を集約し、検討会議でどのような交通体系がふさわしいか考えていきたい」と述べた。

 同支社によると、2回目の検討会議を2月中にも開く予定で、利用者へのアンケートも行うという。(土肥修一)…

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