熊本・南阿蘇鉄道、復興のレール一本に 立野で締結式
城戸康秀
熊本地震からの完全復活を目指す南阿蘇鉄道(南鉄、本社・熊本県高森町)のレールが9日、一本につながった。南阿蘇村立野の第一白川橋梁(きょうりょう)近くで不通区間の「レール締結式」があり、鉄道員たちは7月15日の全線復旧に向けて決意を新たにした。
2016年4月の地震で、南鉄は線路や鉄橋、トンネルに深刻な被害を受けた。全線17・7キロ(高森―立野)のうち、高森―中松間(7・1キロ)は約3カ月半後に運行を再開。不通区間の中松―立野間(10・6キロ)で続いていた線路などの復旧工事がほぼ終わり、仕上げ作業が進んでいる。
レールの締結式があったのは、もともとトンネルだった場所。トンネル内部の損傷が激しかったため、山を削って整地し、第一白川橋梁の架け替えが終わった後に線路をつくり直した。
真新しい敷石と枕木の上で、赤茶色のサビにまみれたレール。継ぎ目のボルトを締めた南鉄の津留恒誉専務は「列車が毎日走るようになって初めてレールは輝くようになる」と語った。
線路点検車が締結ポイントを進み第一白川橋梁を渡るのを、南鉄社員たちは静かに見守った。上着の胸とヘルメットに刻まれた「つなげよう」「つながろう」のスローガン。一丸となって目指すのは「安全で完璧な再出発」(津留専務)だ。
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