気球撃墜、米側「装置精査できて貴重」 中国は報復措置の可能性示唆

有料記事

ワシントン=下司佳代子 北京=林望
【動画】米上空を飛行の中国の気球、米軍が撃墜=ロイター
[PR]

 米国は4日、米本土上空に飛来した中国の気球を米軍機で撃墜した。米国防総省によると、4日午後、米南東部サウスカロライナ州沖の上空で撃ち落とした。気球は回収し、装置を解析する。これに対し中国側は「強烈な不満と抗議」を示し、激しく反発している。

 米国防総省によると、東部バージニア州のラングレー空軍基地を出たF22戦闘機が4日午後2時39分、短距離空対空ミサイルを1発、気球に向けて発射した。米海軍沿岸警備隊が、沖合に落下した残骸の回収作業を進めている。残骸は深くない水中にあるとみており、作業は比較的容易に進む見通しだという。

 バイデン大統領は4日、記者団に「1日に気球について説明を受けた時、国防総省にできるだけ早く撃墜するよう命じた。(国防総省は)地上の誰も傷つけることなく、(米領海の)12マイル以内の海上で実行することが最善のタイミングだと決めた」と話した。

 米国は、気球は中国が米国の監視用に飛ばしたものとみて、「明らかな米国の主権の侵害で、国際法違反」(ブリンケン国務長官)と非難した。ブリンケン氏は3日夜に出発して中国を訪問する予定だったが、直前に延期を決めた。

中国側「強烈な不満と抗議」

 気球が米軍に撃墜されたことを受け、中国外務省は5日朝、「強烈な不満と抗議」を示す声明を発表。「明らかな過剰反応であり、国際慣例の重大な違反」などとして強く反発した。この問題が持ち上がって以来、中国政府が「米国側に冷静かつ専門的、抑制的な方法で適切に対応するよう求めてきた」と述べたうえで、「米国側が頑迷に武力を用いたのは明らかな過剰反応だ」と批判した。

 さらに、「中国側は関連する…

この記事は有料記事です。残り1285文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら