作家の片野ゆかさん 愛犬マドを描いた着物の帯と「犬部!」

有料記事

聞き手・太田匡彦
[PR]

 『北里大学獣医学部 犬部!』などで知られるノンフィクション作家の片野ゆかさん。作家としての歴史がつまっているという「帯」に描かれていたのは、愛犬の姿でした。込めた思いを聞きました。

かたの・ゆか

1966年、東京生まれ。『愛犬王 平岩米吉伝』『平成犬バカ編集部』『しあわせ動物園 スゴイ飼育員の本当の話』など著書多数。『北里大学獣医学部 犬部!』が21年公開の映画「犬部!」の原案本となったことなどで同年、「川島なお美動物愛護賞」を受賞した。

 故・川島なお美さんの遺言に基づいて創設された「川島なお美動物愛護賞」をいただいた際の授賞式のために、特別に作ったのがこの帯です。知人の画家にお願いして、愛犬マドを描いてもらいました。マドは茨城県動物指導センターに収容されていたのを、動物愛護団体によって助け出された子です。2011年10月に迎えました。迎えた日を1歳の「誕生日」にしたので、いま推定12歳です。

 どういう経緯で捕獲されたのかはわかりませんが、とにかくビビリな性格。我が家に来た当初は、顔を見ても目をあわせられず、キョロキョロと周囲に視線を動かしていました。今でも散歩中に自動車を強く警戒したり、タンスなどの粗大ごみを怖がったり。エサ皿にドライフードを入れる音にもおびえるので、ずっと手作りごはんをあげているくらいです。大変な環境を生き抜いてきたのだろうと想像しています。

 一方で人の言葉をよく理解し…

この記事は有料記事です。残り449文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
太田匡彦
文化部
専門・関心分野
ペット、動物、アニマルウェルフェア