乗務員が車いす介助 JR四国が鳴門線で試行

福家司
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 【香川】JR四国は、同社初となる乗務員による車いすの障害者への乗降介助を昨年12月20日から鳴門線で試行している。国のガイドラインに基づき、利用者の利便性を向上させる試みという。

 乗降介助はこれまで事前に連絡を受けて駅員が対応してきた。だが、無人駅が増え、主要駅から駅員を派遣することが多くなった。一方、2021年にJR九州が駅に駅員がいないことを理由に車いすの利用者の介助を断っていたことがわかり、今年には駅の無人化に対して別の車いす利用者がJR九州を提訴。これらを機に国は昨年7月、無人駅では乗務員の介助が望ましいとするガイドラインを定めた。

 これを受け、JR各社は運転士や車掌ら乗務員による介護を始めている。JR四国でも、鳴門線に乗務する徳島運転所の乗務員約150人を対象に昨年11~12月、車いすの乗降についての訓練を行った。

 今回の試行で対象となる駅は、駅員勤務中を除く時間の鳴門駅と、無人駅の撫養から阿波大谷までの5駅。これらの各駅で乗降する場合、これまで必要だった事前の連絡が不要となる。ただし、高徳線と接続する池谷駅にはスロープがないため、利用できない。また、乗降以外の介助はできない。

 JR四国お客様サービス推進室の河田英彰副長は「利用状況や列車に遅れが出たときの対応などを1年以上検証し、他線区への導入を検討したい」と話す。しかし予讃線や土讃線、高徳線など特急が頻繁に走る幹線では、列車の遅れが他の列車に影響を与えるおそれが大きいため、実施は難しいという。(福家司)…

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