細胞のエネルギー「むだ遣い」どう防ぐ ブレーキ役解明 熊本大など

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杉浦奈実
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 細胞がエネルギーを「むだ遣い」しないようブレーキをかける新しいメカニズムを、熊本大などのチームがマウスを使って明らかにした。このブレーキを外すと、体温が上がり、全身のエネルギー消費量が多くなった。肥満対策や、病気などでエネルギー消費量が増えてしまう症状の緩和につながる可能性がある。

 論文が昨年12月12日、英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。(https://doi.org/10.1038/s41467-022-35219-z)

 チームは様々な代謝調節にかかわる酵素「SIRT7」に注目。脂肪を分解して熱を生み出す働きがある「褐色脂肪細胞」で、SIRT7が働かないようにしたマウスでは、体温が上がり、エネルギー消費量が多くなることを見つけた。

 マウスの褐色脂肪細胞を培養して詳しく調べると、SIRT7が熱をつくるのに関わるたんぱく質の量を減らすことで、褐色脂肪細胞の働きにブレーキをかけていることがわかった。SIRT7はたんぱく質をつくる過程を邪魔する因子を活性化させていたという。

 熊本大の吉澤達也准教授は「…

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