北陸新幹線の新大阪延伸、異例の調査費12億円に「着工ありき」の声

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小田健司

 来年春に北陸新幹線は福井や敦賀まで開業し、北陸3県と東京は完全に新幹線で結ばれる。では、大阪とはどうなるのか。「こちらにも新幹線を」というのが3県の立場だが簡単にはいかない。そもそも必要なのか。国や沿線自治体の前のめりな姿勢に、疑問も向けられている。

 国土交通省は昨年12月、来年度の予算に北陸新幹線の敦賀―新大阪を着工するための予算を計上しないと明らかにした。

 これは、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)による「2023年度当初の着工」の決議に沿わない結果だった。北陸や関西選出の与党国会議員らが集まるPTは反発。3県の知事たちも遺憾の意を表明した。

 国交省は代わりに「北陸新幹線事業推進調査」という約12億円の予算を計上した。従来は着工後に行われていた調査を含む異例の予算だ。

落胆する福井県

 3県で最も大阪に近い福井県…

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この記事を書いた人
小田健司
ネットワーク報道本部(大阪・堺支局)|地方行政や町ダネ、裁判など
専門・関心分野
権力監視、原発、公共事業、ボブ・ディラン