注目の春闘、非正規の賃上げにも影響? 「もっとやれた」との自省も
春闘解説シリーズ①
物価高が家計を圧迫するなか、例年以上に注目を集めている「春闘」が間もなく始まります。労働組合が企業に賃上げなどを求める日本独特の手法といわれますが、そもそも春闘とはどんなものなのか。その歴史や役割を解説します。
高まる賃上げへの期待
「今年の春闘について、インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」
岸田文雄首相は今月4日の記者会見でそう訴えた。労働組合の中央組織・連合も、春闘での賃上げ目標を昨年までより1%幅引き上げて「5%程度」とした。物価の高騰に賃金の伸びが追いつかず、実質賃金の減少が続くなかで、春闘での大幅な賃上げへの期待が高まっている。
春闘では賃金など労働条件の改善について、連合とその傘下の「自動車総連」「電機連合」といった産業別組織の方針のもと、各企業の労働組合が足並みをそろえて経営側と交渉する。組合は2月ごろから要求を出し、経営側の回答は3月ごろから出始める。
企業ごとに組合がバラバラに賃上げなどを求めるのでなく、春闘を通して要求の水準や日程をそろえることで交渉力を高める狙いがある。一方、欧米では、日本と違って産業ごとに労働組合があり、賃上げ交渉なども産業ごとに行うケースが多いため、春闘は日本独特の取り組みといえる。
生みの親「お手々つないで進めば怖くない」
春闘が始まったのは1955…
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