常磐線と車の衝突現場、1年前にも死亡事故 「中州」作る二つの踏切

古源盛一
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 6日午前8時ごろ、茨城県笠間市小原にあるJR常磐線の第三小原踏切で、高萩発品川行きの上り普通列車(10両編成)と軽乗用車が衝突した。軽乗用車は大破し、乗っていた2人が死亡した。この事故で、常磐線の羽鳥―水戸間と水戸線の笠間―友部間では、約5時間40分にわたって列車の運転を見合わせた。上下計71本が運休するなどして約1万4600人に影響した。

 笠間署によると、死亡した軽乗用車の2人は運転席と後部座席に乗っていた。運転席の1人は成人で、後部座席の1人は未成年とみられ、同署が身元を確認している。

 JR東日本水戸支社によると、警報機や遮断棒は正常に作動しており、運転士は「踏切にさしかかる直前に、進行方向の右側から軽乗用車が踏切に入ってきた」と話しているという。列車は先頭車両の下に軽乗用車の一部を挟み込んだ状態で進み、踏切から約360メートル先で止まった。

 乗員・乗客約500人にけがはなかったが、乗客の1人が体調不良を訴えて救急搬送された。乗客は、現場から約1・5キロ離れた友部駅に徒歩で向かい、同駅からバスで水戸駅や羽鳥駅に輸送された。

 第三小原踏切では、2021年12月にも、特急と乗用車が衝突し、1人が死亡する事故が起きた。この踏切は、「中州」のようになった長さ約20メートルの道路部分を挟んだ二つの踏切からなる。南側が上り用、北側が下り用で、それぞれに警報機や遮断棒がついている。

 近所の人によると、近くのイオンモール水戸内原や県立中央病院方面への抜け道として踏切を通る車は多いという。70代の男性は「危ない踏切という認識はないが、短期間に事故が相次ぎ、驚いている」。踏切の南側に住む女性は「慣れていない人だと、中州部分にいて警報音を聞くと踏切内に取り残されたと勘違いし、慌ててしまうこともあるのでは」と話した。(古源盛一)

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