「逮捕の覚悟できてる」 全米に広がった抗議デモ、学生たちの思いは

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ニューヨーク=遠田寛生 中井大助 サンフランシスコ=五十嵐大介
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 米国の大学で、パレスチナを支持し、イスラエルや米政権に抗議するデモが拡大している。4月下旬から大学の構内を占拠する動きが相次ぎ、コロンビア大で多数の逮捕者が出たことを契機に、勢いはさらに増した。米メディアによると逮捕者は全米で1千人超に上る。30日にもコロンビア大で多数の逮捕者を出す事態に発展した。運動の背景を現場から探った。

 4月25日、コネティカット州のイエール大では青空の下、芝生の広場に100人近い学生が座り込んでいた。クッションを敷き、コーヒーやドーナツを手に話している。とはいえ、ピクニックではない。広場の中央には枕や寝袋が集められている。19日からこの場所を占拠しているのだ。

 目的は、パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に対する抗議だ。イスラエルやそれを支持する米政権だけでなく、大学にも変化を求めている。

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2024年5月1日22時58分 投稿
    【視点】

    学生の抗議デモが「過激化」と報道されてきたが、実態はどうなのか、「過激化」は誰によってもたらされているのかーそうした詳細が曖昧なまま、「過激化」という言葉が一人歩きしていた中、デモや参加者への丁寧なインタビューに基づくこうした記事はとても貴

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    富永京子
    (立命館大学准教授=社会運動論)
    2024年5月5日8時45分 投稿
    【視点】

    なぜ抗議なのにキャンプなの?と思われる方もいるかもしれませんが、いわゆるProtest Camp(抗議キャンプ)という手法で、スタンディングや座り込みよりも長期の抗議を企図する場合にオーガナイズすることが多いです。ここからも、抗議参加者の覚

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