米下院議長選、100年ぶりの再投票に 多数派の共和党から造反者

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ワシントン=高野遼

 米連邦議会で3日、中間選挙を受けた新議会が開会し、下院議長選が実施された。多数派の共和党を率いるケビン・マッカーシー院内総務が立候補したが、同党の複数の議員が造反したため、過半数に届かずに再投票となった。下院議長が1度の投票で選出されなかったのは100年ぶりで、共和党の分裂ぶりが浮き彫りとなった。

 議長選は同日、3回にわたり繰り返されたが決着せず、翌日正午まで議会は休会となった。4回目以降の投票は4日午後に実施される見通し。

 昨年11月の中間選挙で、共和党は下院(定数435)で222議席を獲得し、多数派に返り咲いた。しかし、保守的な政策を強く支持する右派議員らがマッカーシー氏の議長就任に反対し、アンディ・ビッグス下院議員が対抗馬として名乗りを上げていた。

 1回目の投票では、マッカーシー氏は203票にとどまり、ビッグス氏が10票を獲得するなど共和党議員のうち19人が造反した。民主党議員は212人全員が、下院民主党トップのハキーム・ジェフリーズ議員に投票した。いずれの候補も過半数(218票)に届かなかった。

 下院議長選は、いずれかの候…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2023年1月4日7時50分 投稿
    【解説】

    三回の投票でもマッカーシー氏は過半数を抑えられず、再投票は明日に持ち越しになりました。今回のことから分かるのは、中間選挙で共和党が下院で勝利したにもかかわらず、共和党の内部分裂によって下院の運営は今後、きわめて混迷する、ということです。

    …続きを読む