第6回躍進する「激安」SHEIN、その供給網は 迫られる人権尊重

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藤田知也

 年の瀬の東京・原宿。中国発のファッション通販サイト「SHEIN(シーイン)」が11月にオープンしたショールームは、若い女性客でごった返していた。

 並ぶのは1千円前後のニットやワンピースなど「激安」な品ばかり。新作アイテムの豊富さと市場投入の速さで「ウルトラファストファッション」と呼ばれ、破竹の勢いで利用者数も増加。米国での上場が近いとの見方も出ている。

 店から出てきた10~30代の女性10人に話を聞いた。シーインを知ったのはユーチューブやインスタグラムなどのSNSがきっかけで、魅力は「安さ」と口をそろえる。人権への対応を気にかけると答えたのは31歳の1人だけだった。

部品や原料がつくられる過程で人権が侵されていないか、企業が責任を持たなければいけない時代がやってきた。国内の衣料業界では、強制労働が疑われる新疆ウイグル自治区の綿の利用などで疑惑の目を向けられてきた。「人権後進国」の汚名は返上できるか。

中国の契約工場で長時間労働が発覚 シーインの対応は

 人や環境に配慮する「エシカル消費」がうたわれていても、より安いものに消費者が流れる現実は簡単には変わらない。それでもシーインはモリー・ミャオ最高執行責任者(COO)が「従業員が公正かつ敬意を持って扱われるよう引き続き努力する」と約束するなど、人権尊重を経営方針に掲げる。注力する米欧市場で強制労働をめぐる規制が強化され、機関投資家も環境・社会・ガバナンス(ESG)重視を強めていることが背景にあるとみられる。

 中国のサプライチェーン(供…

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この記事を書いた人
藤田知也
経済部

経済事件、不祥事、調査報道

連載資本主義NEXT 会社は誰のために(全27回)

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