JR西VS知事・11市町長 ダイヤ改定めぐり撤回の要望書
JR西日本が県南部の在来線の減便を盛り込んだ来春のダイヤ改定に対し、県と関係11市町は23日、撤回を求める要望書を出した。赤字路線の廃線の可能性を含めた議論を要求するJR西の姿勢に、自治体側は不満をためてきた。ダイヤをめぐってもJR西は「鉄道維持のために必要な見直し」と主張した。
JR西はダイヤ改定で「もともと利用者が少なくコロナ禍に追い打ちをかけられた区間や時間帯」(担当者)の合理化を図った。
これに対し、県と沿線11市町は反発。首長の連名で「鉄道の利便性を大きく損ねる」との要望書をまとめた。小谷敦副知事が23日、藤原乗将・岡山支社長に手渡し、「甚だ遺憾。沿線住民の暮らしに及ぼす影響を鑑み、利便性の維持を」と強調した。
藤原支社長は「利用と輸送力の乖離(かいり)」を指摘。「持続的に輸送サービスを提供していくことが責務だ」と理解を求めた。
ダイヤ改定は来年3月18日に予定され、朝のラッシュ時の山陽線の岡山―福山(広島県)の普通列車を上下線1本ずつ増やす。混雑緩和のほか、作陽高校(津山市)の倉敷市への移転に伴う利用客増を見込んだ。
一方、午前中の岡山―糸崎(広島県)、糸崎―倉敷を各1本廃止する。宇野線の茶屋町(倉敷市)―宇野(玉野市)は上下線を各2本廃止。赤穂線は播州赤穂(兵庫県)発を長船(瀬戸内市)発にするなど、上下線4本で区間を短縮する。赤字が続く県北部の路線に変更はなかった。
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