福井大研究チーム、論文掲載前の「査読」で不適切な行為 大学が認定

有料記事

[PR]

 福井大学は20日、同大の研究者ら3人が関わり、学術誌に掲載された論文をめぐり、掲載前に別の専門家が内容をチェックする「査読」の過程に、「不適切な行為(査読操作)」があったことが確認されたと発表した。不適切な操作は、千葉大の教授など学外の3研究者との間で行われていたことも確認された。

 福井大で不適切な査読操作を行ったと確認されたのは、同大の教授と教員、元教員の計3人。教授が関わる計6本の論文で、査読操作があったと認定された。

 査読は、学術論文を掲載する際に、前もって独立した専門家が、内容や学術的な意義をチェックする仕組み。査読にあたる研究者を、出版社側に対して論文の著者側が推薦することはあるが、不正を防ぐため、一般的には査読者は匿名で、著者と直接やりとりはしない。

 ところが、査読に不正があったとの通報を受け、福井大は今年2~11月、学内外の計6人からなる調査委員会を立ち上げて事実関係を調べていた。

 その結果、千葉大の教授と、元金沢大教授、元浜松医科大教授の学外の計3人の査読者との間で、計6本の論文の査読過程に問題があったと認定した。

子育て中の母57人が参加した論文で不正

 福井大の教授らが手がけた論文のうち、オランダの大手学術誌出版社「エルゼビア」が発行する、精神神経内分泌学の専門誌に2020年に発表した論文については、今年6月、同社が査読に不正があったと認定して、論文の掲載を撤回した。

 子育て中の母親57人が参加…

この記事は有料記事です。残り301文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら