のど自慢の「夫さん」に鐘三つ では「主人」を軽んじる岸田内閣には

有料記事多事奏論

編集委員 高橋純子
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記者コラム「多事奏論」 高橋純子

 「国民のみなさん」が激烈に不足している岸田文雄首相に日々啞然(あぜん)&慄然(りつぜん)としているから余計に気になった。サッカー日本代表森保一監督はなぜ「国民のみなさん」と呼びかけるのだろう? 「応援してくれたみなさん」「サッカーファンのみなさん」が妥当で、言ってもせいぜい「日本のみなさん」では――と、細かい言葉遣いに反応するのは私の悪い癖。今月11日の昼下がりにはテレビの前で快哉(かいさい)を叫んでいた。

 「夫さん」に鐘三つ!!!

 NHKのど自慢。もうすぐ結婚34年、夫に贈ると歌唱した女性に対して、司会の小田切千アナウンサーが「優しい夫さんは……」と語りかけたのである。今年結婚したばかりという女性には「でもパートナーと一緒に暮らせてないんですよね?」とも。

 熱心な視聴者だった父親の影響で、在宅時はついチャンネルを合わせてしまうのだが、たぶん最近まで「ご主人」が使われていた、はずだ。「ご主人は会場に来てる?」「ご主人が好きな歌だったんですよね」。それを聞くたび私は「うーん」と眉間(みけん)に縦じわを寄せていたのである。

 他人の夫を何と呼ぶか問題。

 「言葉狩り」をするつもりは…

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