福井大教授らの不正「防ぐの難しい」 カギとなる査読はどんな仕組み

有料記事

瀬川茂子 嘉幡久敬
[PR]

 福井大学医学部の教授らが関わったとされる論文の査読に関わる不正。そもそも査読とはどういう手続きで、今回の問題はどこにあるのか。

 査読とは、学術誌に投稿された論文を掲載に値するかどうか別の専門家が読んで妥当性を判断することだ。適切な査読は雑誌の質を保ち、科学としての信頼性を守るために欠かせない。

 専門が細分化し学術誌が増えたため、査読者を確保することがむずかしく、論文の出版まで時間がかかる要因にもなっている。そこで多くの雑誌は、著者が査読者を推薦できるようにしている。推薦も参考に査読者を決めるのは雑誌の編集者で、複数の査読者を選んで依頼する。査読結果を伝えるのも編集者の役割で、査読者と著者は直接連絡をとらない。

 韓国では、この推薦制度を利用した不正が発覚し、2012年に研究者が35本の論文を取り下げた。著者が利用できるメールアドレスに査読依頼が届くようにして、架空の査読者になりすまし編集者をだましていた。この後、出版社は不正を防止する対策をとってきた。

 しかし、今回のような、いわば「やらせ査読」のような事例は珍しいという。

 文部科学省の研究不正のガイ…

この記事は有料記事です。残り699文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら