「自転車の街」に サイクルツーリズムに足利市も挑戦

根岸敦生
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 自転車と観光を組み合わせた「サイクルツーリズム」に栃木県足利市が挑戦している。自転車愛好家に市内の豊かな自然や歴史文化遺産を知ってもらい、地域の活性化につなげる狙いだ。

 始動イベントとして「V●(eに´〈鋭アクセント〉付き)lo.Ashikagaサイクルフェスタ」が27日、市内で開かれ、約100人が参加した。ベロは仏語で「自転車」を意味する。

 渡良瀬川沿いのエコアールグリーンプラザを起点に、北部中山間地の名草キャンプ場までを往復する約30キロの「北部中山間地域コース」と、渡良瀬川の堤防上のサイクリングロード(田中橋―福猿橋)を周回する約10キロの「渡良瀬川サイクリングコース」が設定された。

 交通規制なしで実施された30キロコースでは、群馬県館林市の実業団ロードレースチーム「Greeen Lights」が先導役を務め、6人ずつが8組に分かれて走った。

 地元からは、自転車の国内プロリーグ・ジャパンサイクルリーグ(JCL)に参加する「宇都宮ブリッツェン」の小野寺玲選手と貝原涼太選手らがゲストライダーとして参加。小野寺選手は「名草まで走るのは初めて。ちょっと風が出てきたけれど、楽しみにしている」と話した。

 宇都宮ブリッツェンと足利市は今月、サイクルスポーツマネジメントの包括連携協定を結んだ。その手始めとしてこの日の催しに参加した運営会社の柿沼章社長は「足利の良さは市街地と中山間地が近いこと。自転車のいろいろな楽しみ方ができる」と語る。

 足利市では多様なコース展開ができる。両隣の群馬県桐生市佐野市をつなぐ形なら、アップダウンのあるコースになる。一方、平坦(へいたん)なコースを望むなら、渡良瀬川沿いから渡良瀬遊水地を周回するコースのほか、利根川沿いに下るルートもある。

 この日は、初開催とあって沿道に多めに誘導員を配置し、市内各所には駐輪のための木製サイクルラックを設置した。名草キャンプ場では焼き魚を提供するサービスもあった。参加者からは「安心して走れた」という声が寄せられた一方、「少し物足りない」と改善を望む意見も出たという。

 近年、サイクルツーリズムは全国各地で盛んになっている。県内では、栃木市小山市などで、まちおこしにつなげる動きが広がっている。足利市の早川尚秀市長は「足利は後発。まず、市内を巡るこのイベントから近隣との連携を広げていきたい」と話している。根岸敦生

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