ロシア占領下の原発、職員4人が明かす緊迫の実態「直撃すれば破滅」
欧州最大級の原発で、ロシア軍が占領するウクライナ中南部のザポリージャ原発。今月も砲撃が相次いだ。19日夜から20日朝にかけて爆発が少なくとも12回あったという。ロシア軍と、ウクライナの職員が常駐する施設の中では、いったい何が起きているのか。4人の職員がこの秋、対面やオンラインで取材に応じた。
真っ暗な空に、赤い閃光(せんこう)が次々と流れていった。乾いた射撃音と、何かが「ヒュー」と飛んでいく音が聞こえた。
ロシアがウクライナに侵攻して間もない3月4日、欧州最大級のザポリージャ原子力発電所があるウクライナ中南部の都市エネルホダル。原発職員で、機材の修理などを担当するオレクシーさん(39)は、集合住宅7階の自室から、そんな光景を目にした。
「原発に1発でも直撃すれば破滅だ。放射能の不安で窓を塞ぎ、棚にあったヨウ素剤を取り出した」
この日、ロシア軍は原発を攻撃。占拠した。
ロシア占領下、原発職員の証言
ザポリージャ原発は、外部からの電源供給が繰り返し途絶えるなど危険な状況にあります。ロシア軍による占拠が続くなか、拘束などの恐怖を感じて6~9月に現地を離れた4人の職員がオンラインや対面での取材に応じ、占領下の実態を語りました。
原発が占拠された当初、職員はロシア軍への嫌悪を隠さなかった。
熱湯浴びせ、軍服を切った
電気部門で働くドミトロさん(46)はある日、社員が使う食堂で20~40代くらいの7、8人のロシア兵と居合わせた。
「さっさと出ていけ!」「お前たちは歓迎されていない」
100人はいた職員の一部がロシア兵に詰め寄った。
兵士がシャワーを浴びている最中に熱湯しか出ないように細工したり、脱いだ軍服をはさみで切ったりした。
ただ、こうした挑発でロシア兵が暴走し、原発や職員が危険にさらされるかもしれない。上司らはそう懸念し、職員にロシア兵と関わらないよう忠告した。
ロシア軍の締め付けは、日に日に厳しくなっていった。
入り口では武装した兵士がス…
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