「要対策土」の湧水対策に注文 4回目のリニア残土フォーラム 御嵩
リニア中央新幹線工事の残土問題をめぐる岐阜県御嵩町の第4回フォーラムが10日夜、町内で開かれた。今回のテーマは「要対策土の封じ込め工法と盛り土構造」。重金属を含む要対策土を「二重遮水シートで封じ込める」とするJR東海に、専門家からは「湧水(ゆうすい)対策を入念に」と注文がついた。
JR東海が、要対策土をポリエチレン製の遮水シートで二重に包み込み、盛り土した「健全土」の中に封入する工法を説明した。その上で、盛り土や排水設備はJRが管理し、2年に1度をめどに目視やカメラで点検する、とした。
約60人の町民が参加し、「遮水シートは百年単位で耐用できるのか」「盛り土管理はJRが永久にやるのか」などの質問が相次いだ。汚染土壌処理が専門の研究者はリモートで参加し、「遮水シートの下に湧水が流れやすい排水層を設けてほしい」「二つの遮水シートの間に粘土シートをはさむと劣化を防ぎやすい」などと助言した。
一方、処分場候補地の一部に国選定の「重要湿地」が含まれていることについては、閉会間際に町側が経緯や方針が書かれた資料を読み上げただけだった。閉会後、渡辺公夫町長は報道陣に、「町民に説明するタイミングがわからなかった。JRが対応を決めないと、動きようがない」などと話した。
フォーラムは、残土を巡る受け入れ反対論が根強いことから、町が住民の理解を得ようと、JRや専門家らの説明を聴く場として、5月~来年1月に6回の開催を予定している。
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