日本代表GKが打ち明ける「うつ」 街でジェラート食べ気づいたこと
サッカー日本代表のGK権田修一(33)はかつて心の病を患った。
働き盛りで自分を追い込んでいたら、パタッと体が動かなくなった。
「もう限界です」
ピッチから一度離れ、現役引退も考えた。焼き肉屋で働く相談までしていた。
あれから7年。11月にあるワールドカップ(W杯)で2大会ぶりのメンバー入りが決まり、過去にない復活となった。
心の負担と、どう折り合いをつけたのか。周囲に望む振る舞いとは。自身の経験を聞いた。
「自分の心はなんてちっぽけなんだ…」
――2015年の夏。26歳のときに、過度な負荷で疲労がとれないオーバートレーニング症候群であることを公表しました。
「オーバートレーニング症候群にはいろいろな症状がありますが、誤解を恐れずにいえば、うつ病みたいなものでした。僕の場合、心療内科を受診しました。病院に行ったときに、ああ自分は病気なんだ、と。アスリートって、世間から見たら強いイメージがあるかもしれませんが、心は特別ではありません」
――公表するのに、ちゅうちょはなかったのでしょうか。
「翌日から日本代表の活動があり、辞退するのに理由を公表しなければいけませんでした。ただ、できることなら、そっとしておいてもらいたかった、というのが本音です」
――12年ロンドン五輪では正GKとして4強入り。14年W杯ブラジル大会でもメンバーにも選ばれ、脂ののった時期でした。
「一番難しかったのは、心のなかの状態は、見た目では誰もわからない、ということです。公表する前日もJリーグの公式戦でプレーをしていましたし、骨折みたいに誰もが分かる外傷とも違う」
「日本代表でなかなかチャンスがもらえなくて、所属していたFC東京でもっと成長しなくては、と焦っていました。監督が考えた練習も、こんなんじゃ自分のプラスにならない、と思い込んでいた。自分は走るのが嫌いなのに、無理してめちゃくちゃ走り込んでいました。思い返すと、何をするのも楽しくありませんでした」
――15年6月のW杯ロシア大会のアジア2次予選では招集されたGK4人のなかで、ただ一人ベンチ外となったことも大きかったそうですね。
「一気にズドンと落とされた感覚でした。すぐにジムのトレーナーさんに『朝一でトレーニングをお願いします』と電話をしました。余裕もなくて、体はきついのに、練習量をさらに上げていました」
「体がどんどん重くなり、集中力もパフォーマンスも落ちていきました。クラブのスタッフに『もう限界です』と伝えました」
ファンのSNSは「はたから見れば…」
「自分が一番つらかったのは、復帰できそうになったときです」
「練習場に顔を出すと、復帰…
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