晩秋の根室線、春の小湊鉄道… ローカル線で見つけた全国の絶景

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 10月14日は鉄道開業150年の日。近年、各地で新幹線が開業する中、ローカル線は、かつては車社会の広がりや人口減少で、今は自然災害やコロナ禍で瀬戸際に立たされている。しかし、その沿線には日本の原風景とも言える景色が広がり、地域の足を守ろうと活動する人たちがいる。ローカル線の風景を、全国で探した。

 北海道滝川市根室市を結ぶJR根室線。太平洋沿いの北海道根室市落石(おちいし)海岸では、初冬の日没直前、夕日を浴びながらを進む車両を見ることができる。釧路―根室間は湿原など道東の豊かな自然の中を走っており、車窓からエゾシカの群れやタンチョウが見えることも多い。

 同じく北海道旭川市と道北の稚内市を結ぶJR宗谷線は日本海に面した豪雪地帯を走る。降雪時にはラッセル車が走り、雪を飛ばしていく。名寄から北の稚内までの区間はJR北海道が「単独での維持困難」とした区間のひとつ。除雪費用もかさんでいる。

 千葉県房総半島中心部を南北に走る小湊鉄道は、里山が点在する自然豊かな一帯を走る。春、市原市の飯給(いたぶ)駅では、ライトアップされた桜とレトロな車両が水をはった田んぼに映り込んでいた。東京から近いが全線非電化で気動車が走り、古い駅舎も人気だ。

 千葉県北東部の銚子市内を走るのは銚子電鉄。夏には、ヒマワリ畑の中を進む列車を見ることができる。鉄道事業では赤字が続いており、2006年、電車運行維持のためにぬれ煎餅(せんべい)を買ってほしいとホームページで訴え、話題になった。今や物販は鉄道の約6倍の売り上げにもなっている。「お化け屋敷電車」や「電車プロレス」など多彩なアイデアを次々と繰り出す。

 岩手県三陸鉄道リアス線は…

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