言えなかった「体育が嫌い」 苦痛だった持久走、忘れられない怒声
大阪府吹田市の大学生、江口康太さん(21)は就職活動中、複数が協力する「グループワーク」で、「もやっとした気持ち」を抱いた。
求められたのは「チームワーク」。嫌な役回りにも積極的に取り組めば評価が上がる。
思い出したのは、小学校の体育の体験だ。
江口さんが通ったのは、愛知県長久手市の公立小学校だ。
6年生の時の運動会で、組み体操を指導する教師は、なぜか毎年、男子の「ピラミッド」を前年より一段高くすることにこだわった。
運動会の前だけ時間割が変わり、全クラスの体育の時間がそろえられた。先生たちが躍起になっているのを感じた。
江口さんは一番下の段。運動場の砂の上についた手足が、上からの圧力ですごく痛かった。
上の段から落ち、けがをする子もいた。
「男子だから、先輩たちも続けてきたから、やらなきゃいけない。やる気だ。根気だ。耐えろ。もっとつらい人がいる。チームワークだ」
先生たちはそう言った。
体育が嫌いになってしまうのはなぜ? 記事の後半で掘り下げます。ご意見や体験談はメールで dkh@asahi.com まで。
「でも、僕は自分からそれを…
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- 【視点】
記事に「男性からは、男性は体育ができて当然とされ、男らしさを競う場として体育が扱われることの圧力の存在が指摘された。そこで生じる序列が、学校生活の序列になっていたことも訴えられた」とあります。この傾向は、少年スポーツにも見受けられます。都
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