「副業300万円問題」大幅修正へ 通常の70倍の反対意見が殺到
副業で得た収入は、節税効果が大きい「事業所得」なのか、そうでない「雑所得」なのか。線引きを明確にするため、国税庁が8月に「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」とする通達案を公表したところ、反対意見が殺到。これを受け、同庁は基準を大幅に変更する。金額ではなく、帳簿の有無を重視する方向だ。
事業所得は税負担を軽くする優遇措置が手厚い。副業の経費が収入を上回って赤字になれば、その分を本業の所得から差し引く「損益通算」ができるため、節税につながる。一定の基準を満たせば、黒字でも最大65万円を所得から差し引く「青色申告特別控除」が使える。一方、雑所得ではそうした措置は使えない。
「300万円」基準、実質消滅 ノート手書きでも…
国税庁は8月、これまであいまいだった基準を明確にするために「300万円」の案を公表し、ネット上で「副業300万円問題」として話題になった。その後、1カ月間のパブリックコメントに通常の70倍にあたる約7千件の意見が寄せられたが、その大半が「ハードルが高すぎる」「事情はそれぞれなのに、一律の基準をつくるのはおかしい」といった反対意見だったという。これを踏まえ、同庁は通達案を大幅に修正する。
具体的には、取引ごとの売上…
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- 【視点】
この問題は、政策の決まり方、あるいは役所と国民の関係の変化に深い示唆を与えていると感じる。これは「分かりやすさ」と「公平性」のバランスをどうとるかという問題だ。 「分かりやすさ」というのは、基準が明確になっていて、税務署側も納税者側も
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