北朝鮮が中距離弾道ミサイル発射か 太平洋へ通過、10日間で5回目
防衛省は4日、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと同日午前7時25分すぎに発表した。「Jアラート」(全国瞬時警報システム)によると、ミサイルは北海道や青森県方向に飛び、同29分ごろ、太平洋へ通過した。海上保安庁は同45分ごろ、すでに落下したとみられると発表した。
松野博一官房長官はこの日午前8時10分すぎからの会見で、ミサイルは午前7時22分ごろ、北朝鮮内陸部から弾道ミサイル1発が発射され、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側の太平洋上に落下したと推定されると説明。被害の報告はないという。海保関係者によると、落下地点は岩手県の東側で、同県と米国ハワイの中間あたりとみられる。日本の船舶の航行は少ない海域という。
防衛省関係者によると、ミサイルが太平洋に通過することを踏まえ、イージス艦に搭載する迎撃弾「SM3」や地対空誘導弾「PAC3」による迎撃措置はとっていない。
北朝鮮からのミサイルは、9月25日に1発、28日に2発、29日に2発、10月1日に2発が確認されている。
米韓による軍事演習などへの反発か
韓国軍は4日、同日午前7時23分ごろに北朝鮮北部の慈江道舞坪里付近から東の方向に向けて、中距離弾道ミサイルが発射されたと発表した。飛距離が約4500キロ、最高高度が約970キロ、速度は約マッハ17と探知した。日本上空を通過したという。
北朝鮮は最近ミサイル発射を繰り返しており、9月25日に1発、28日、29日、10月1日にもそれぞれ2発を発射したが、いずれも短距離弾道ミサイルだった。軍事演習など日米韓の対北朝鮮での連携強化への反発とみられている。
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は4日朝、記者団に対し「無謀な挑発は、韓国軍をはじめとする同盟国や国際社会の決然とした対応に直面するだろう」と述べて、北朝鮮を牽制(けんせい)した。
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