特急北斗のキハ281系引退、国鉄からの名車も 一方で283系復活

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中沢滋人
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 JR北海道で長年、札幌と函館を結ぶ特急「北斗」で使われてきたキハ281系が30日、引退の日を迎えた。北海道内初の振り子式特急気動車として登場し、所要時間を大幅に短縮。非電化区間が多い道内の都市間輸送高速化の先駆け的存在だった。また、国鉄時代に道内向けの耐寒装備を備えて登場し、今も石北線で活躍するキハ183系も今年度中に引退する。一方、昨年度で定期運用から退いたキハ283系が、183系の後継として石北線で復活する。

 キハ281系は、1992年に試作車が登場。94年10月に札幌―函館間の「スーパー北斗」として定期運用を始めた。一番の特徴は、「振り子機構」と呼ばれるカーブで車体を傾ける装置を、道内の特急車両で初めて備えたことだ。当時JR北では、航空機や都市間バスに対抗するため各路線の高速化を進めており、区間の約3分の1をカーブが占める札幌―函館間のスピードアップのため特に必要な装置だった。

 キハ281系は、カーブで車体を最大5度傾けることで、曲線通過速度をそれまでの車両より最大で時速30キロプラスして走ることができた。そのほか、JR北の特急気動車として初のステンレス車体を採用し、ブレーキ装置などに当時の新技術をふんだんに取り入れた。

 登場時の最高速度130キロ運転も相まって、札幌―函館間はそれまでの3時間29分から2時間59分に大幅に短縮(その後最高速度は引き下げられ、所要時間も変更)。この車両を使う特急「北斗」は、「スーパー」の文字が付いた。また、この車両から始まった青を基調とした塗装は、後に登場する改良型のキハ283系などとともに、一時期、JR北の特急車両の定番となった。

 しかし登場から四半世紀が過ぎ、「老朽化に加え、部品確保も困難になってきた」(JR北)ことから、今年9月いっぱいで定期運用を退く。10月からは振り子装置を搭載せず整備コストが低い新型のキハ261系に統一される。在籍する27両は廃車になるという。

 JR北はラストラン企画として、10月22、23日に札幌―函館間をそれぞれ1往復運転する(指定席は完売)。列車名も「スーパー北斗」とし、デビュー当時の塗装とロゴマークを付けた試作車両を連結し、往時の鉄道風景を再現する。

国鉄初の北海道向け車両も引退へ

 今年度で引退するキハ183…

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