円安も何のその 異次元緩和で突き進む黒田総裁の「孤独」

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編集委員・原真人

 製品値上げラッシュに国民の不満が高まるなかでも、持続的な物価上昇をめざす異次元緩和政策を修正しようとはしない日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁。最近では日銀のOBたちからも公然と修正の必要性を求める声が強まっている。

 そして22日、ついに円安急進を阻止するための介入をめぐって、古巣の財務省と黒田総裁との間の微妙な思惑の違いもかいま見えた。残り任期半年を残し、どうやら黒田総裁と異次元緩和の孤立が深まっている。

 日本銀行が金融政策決定会合で異次元緩和の継続を決めた22日、止まらぬ円安ドル高に業を煮やした政府は24年ぶりの円買いドル売り介入に乗り出した。

 この日昼ごろ、日銀が現行の緩和政策を継続すると発表すると、円は1ドル=145円を超える水準まで売り込まれ、さらに夕方の黒田総裁会見で「当面金利を引き上げることはない」との発言が飛び出すと、一時146円に迫るまで円が売られた。

 この「日銀発」の円安の急進…

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この記事を書いた人
原真人
編集委員|経済担当
専門・関心分野
金融、財政、エネルギー、経済地政学