ひとり親世帯へ届かぬ食料 希望者↑ 寄付↓ 市民団体が支援訴え

高木文子
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 コロナ禍や物価高が、子育て家庭の暮らしを直撃している。ひとり親を支援する市民団体「ひとり親Cheers」(岐阜市)が、寄付金やコメ、レトルト食品などを募っている。特にシングルマザーの家庭から食料配布の希望が寄せられるが、食料が足りずに断っているのが実情だという。

 団体は5年前から、岐阜市内のNPO法人・仕事工房ポポロの活動の一環で、食料配布やひとり親への個別相談などをしてきた。8月に岐阜市で食料の配布会をしたところ、約150世帯から希望が寄せられたものの、3分の1にあたる50世帯(127人)に制限せざるをえなかった。

 11日にも50世帯への配布を予定する。農林水産省から提供された前年産のコメを、各世帯に5キロずつ配る。岩田優画代表(49)は「新型コロナの『第7波』で親子が感染し、働けずに収入が減ったという相談が増えた。子どもに食べさせるため自分の食事を切り詰める親もいる」と話す。

 募集するのは、常温保存ができて賞味期限まで2週間以上あるもの。子どもが留守番中にレンジで温められるレトルト食品が重宝するという。寄付の申し込みは、電話(050・3561・5087)か、メール(hitorioyacheers@gmail.comメールする)で。配布先の募集は締め切った。

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 岐阜市下奈良2丁目にある「子どもの居場所応援センター」は、無料や定額で利用できる「子ども食堂」や、学習支援などをする団体向けに食料を届けている。各団体の運営についての相談に応じるほか、新たに倉庫を構えて食料を募る。だが、企業や農家からの食料の寄付は減っているという。

 応援センターは、県の委託を受けて、4月から岐阜県社会福祉協議会が運営する。県内の子ども食堂や、学習支援などをする「子どもの居場所」は計143カ所(4月末時点)。4年前の2・5倍に増え、全体の7割が食品提供を希望しているという。困窮する家庭向けに食品や日用品を配る団体もある。

 一方で、4月以降、応援センターに食料を届けたのは4団体・企業。前年度、県社協に寄付した13団体・企業と比べて大きく減った。センターは「居場所」の運営団体や、寄付をしたい団体を「応援サポーター」として募集している。問い合わせは、センター(058・278・7050)へ。(高木文子)

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