25人の集落に農業助っ人70人 耕作放棄地を救う新たな旅のカタチ

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上田学
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 人手不足に悩む地方に出向き、地元の仕事を手伝う。そんな新しい旅のスタイルが、若者たちを中心に人気を集めている。過疎化人口減少が著しい地域と、都市部の若者を結ぶ取り組みだ。リピーターもおり、移住者や関係人口の増加も生み出している。

 「休憩でーす」。8月中旬、北海道平取町の山あいに広がるブロッコリー畑に声が響く。包丁を手に収穫していた若者たちから笑みがこぼれた。

 慣れた手さばきの立教大4年、植本祐奈さん(21)は川崎市から訪れて2週間になる。農作業は初めてだが、「店で並ぶ野菜しか知らなかった。就職前に農業の現場を体験してみたかった」と動機を語る。

 だが、「初日は何で来ちゃったんだろうと後悔した」と笑う。長時間、中腰の作業が続き、農具を運んだり、かごを持ち上げたりといった力仕事もある。

 互いに励まし合ったのは岡山県倉敷市の栄養士真鍋早矢さん(29)。「最初は心が折れかけて本気で帰ろうと思った。でも、参加者はみんな個性的で楽しい。来て良かった」と明かす。

 滞在中は一軒家で共同生活を送り、様々な人と出会える。休みの日には誘い合って近場の観光地に出かけることもある。

 この日は18~63歳の18…

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