豪雨災害から2年 球磨川流域のダム復活と遊水池計画、住民どうみる

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大貫聡子 長妻昭明 今村建二 安田朋起
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 球磨川水系の河川整備計画が8月上旬にまとまった。計画に盛り込まれた球磨川最大の支流・川辺川へのダム建設に向けた動きが今後本格化する。豪雨被害への対応を理由に「ダムありき」で進んだ計画に対し、流域からは丁寧な合意形成や検証を求める声が上がっている。

 計画策定を受け、熊本県蒲島郁夫知事は「国や市町村、流域住民とより一層連携しながら、命と環境を守る『緑の流域治水』を推進していく」との談話を出し、ダムの早期実現に強い意欲を見せる。

 2年前の豪雨で被害を受けた流域市町村は、計画に基づき治水対策が進むこと自体は評価する。

 ダム本体が建設される相良村の吉松啓一村長は朝日新聞の取材に「堤防や遊水地の整備など、要望してきたことが決まったことは歓迎する」。ダム整備で村内の一部が水没する五木村の木下丈二村長も「一日も早く村民の安心安全を確保してほしい」と語り、ダムによる水没予定地より上流域の宅地のかさ上げや河道整備などに期待する。

 だが、長年地元を翻弄(ほんろう)してきたダム計画の是非は慎重に見極める考えだ。「全容が見えず、議論する段階に至っていない」(吉松村長)とし、両村長とも国や県に「住民への丁寧な説明」を求めている。

市民団体「県民の声を無視した計画」(大貫聡子)

 豪雨被害後に蒲島知事が「ダ…

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