高額な出産費用、「このままじゃ産めない」 専門家、社会で議論を
少子化が進むなか、出産費用の負担の重さについて、議論が起きています。健康保険から42万円が支給される「出産育児一時金」でまかなえたという人は、多くありません。「妊娠」「出産」をめぐる費用負担のあり方について、考えます。
高すぎて、産めない国
「教育費にも多額の出費が必要になるのに、(子育ての)入り口の出産でなぜこんなにお金がかるのかわからない」「この金額では産めない」……。子育てに関わる情報を発信する団体「子どもと家族のための緊急提言プロジェクト」が行った、出産費用についてのアンケートでは、当事者たちからこんな切実な声が寄せられました。
日本での出産費用は年々高額化し、首都圏を中心に、重い自己負担に悩む人が多いです。
この団体のメンバーで、妊娠した女性の支援のありかたなどに詳しい、目白大学の姜恩和(かん・うな)准教授(子ども家庭福祉)に話を聞きました。
「出産費用」、どう考えますか?
アンケート「出産費用の高額化について、ご意見をお聞かせください」の回答を、8月25日14時まで募集しています。匿名でのアンケートです。ぜひ、ご意見をおよせください
「出産、子育て」は女性の責任?
――少子化は政府の予想よりも速いペースで進んでいます。「子どもを産む」ことに対する負担をどう考えればいいでしょうか。
私たちが実施したアンケートには、15日間で1200件を超える回答がありました。回答してくださった方のなかで、42万円の「出産育児一時金」で出産費用がまかなえたのは、わずか7%でした。
さらに、回答者の6割は、自由記述欄にびっしりと思いを記入しています。こんなに反響が大きいアンケートは、本当にめずらしい。それほど、この分野に関して「声をあげたい」「変えてほしい」と思っている人が多いことの表れではないかと感じています。
日本では、出産をはじめとした子育てに関わることが、全般的に、家族や母親の責任とされていることが多いです。出産費用の自己負担が多いのも、こうした考え方が影響しているのではないでしょうか。
無償、保険適用…海外での出産事情
――海外などでは、保険適用となって自己負担が少なかったり、妊産婦の負担がなかったりする国もあるようですね。
例えばフランスでは、外国人…
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