感染拡大のサル痘にWHOが「緊急事態」を宣言 71カ国で1万人超

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ブリュッセル=青田秀樹

 天然痘に似た感染症「サル痘」がアフリカ大陸以外でも相次いで確認されていることについて、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

 テドロス・アダノム事務局長が、21日に開催した専門家による緊急委員会での議論を踏まえて判断、発表した。サル痘はアフリカ中西部で流行してきたが、今年5月以降、欧米で感染が広がり、中東やアジア太平洋地域でも確認されている。

 記者会見したテドロス氏によると、緊急事態と認定するかどうか専門家らの意見は一致しなかった。かつて感染が広がっていなかった国々からの報告が相次いでいる一方で、WHOとしても、現時点では欧州を除いて高リスク地域はないとみているという。さらに、科学的な知見が不十分な状態にあるなかで判断が求められた。

 テドロス氏は「国際的に人の移動を妨げるリスクは今のところ小さいが、感染がさらに広がるリスクは明確だ」と指摘。「解明が不十分な経路を通じて感染が急拡大している」とも語り、新型コロナウイルスやエボラ出血熱に続く緊急事態を宣言した。

 今年報告されたサル痘の感染…

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