絶滅のはずの昆虫が琵琶湖に 教授が「真っ先に自慢したかった」相手

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矢田文

 国内ではすでに絶滅したとされていた水生昆虫が、琵琶湖沿岸で生き残っていたことが京都大学の加藤眞教授(64)と曽田貞滋教授(64)の調査で分かった。生息が確認されるのは60年ぶり。2人は学部時代からの同期で、共著で朗報を発表できたことを喜んでいる。

 見つかったのは、キイロネクイハムシという体長4ミリほどの小さな甲虫の仲間。卵から成虫になるまでの一生を水中で過ごし、同じように水中で育つ沈水植物をエサにする。水中の酸素を取り入れて呼吸するので、生息には酸素をたっぷり含んだ透明度の高い水質が必要だ。

 だが、水中の生き物で調査が難しかったことや、生息に適した水草の残る低湿地などの環境が失われていったことで、生息情報も減少。国内では1962年に福岡市で発見されたのが最後の記録となり、2007年に環境省のレッドリストで「絶滅」に分類された。

 半世紀を超えた再発見の瞬間は、偶然訪れた。

 加藤教授が別の研究のために…

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この記事を書いた人
矢田文
くらし科学医療部|原子力・災害担当
専門・関心分野
生物多様性、環境、沖縄、依存症