第3回電気代で賠償、「おかしい」と裁判 国の責任、検討された首相の謝罪

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安田朋起 編集委員・大月規義
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 福岡地裁で一番広い101号法廷に5月16日、生協の組合員ら約30人が詰めかけた。初めて参加した幼い子連れの母親もいた。

 「原発事故の賠償負担金を経済産業省の省令によって電気代に上乗せしたのはおかしい」。電力小売事業者「グリーンコープでんき」(福岡市)が、国を相手に起こした訴訟の7回目の口頭弁論だった。

 「難しくて頭に入らなかった」「裁判官の理解も深まっているのでは」「なかなか進まない」。報告集会で思い思いに感想を述べあった。

 「でんき」の母体は、九州など16府県で食料品の購買事業などを営むグリーンコープ生協(組合員約42万人)。東京電力福島第一原発事故の翌年、原発に頼らない電気を届けるため設立された。2016年から電力小売りにも参入した。

 自分たちが使う電気がどんな電気なのか知りたい。それが出発点だった。

2.4兆円、薄く広く回収

 野菜の産地や肥料、農薬を調…

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この記事を書いた人
安田朋起
鹿児島総局長
専門・関心分野
再エネ、原発、環境、災害、持続可能性