3カ月で20円下落の「スピード円安」 対ドル円相場、急落のわけは

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榊原謙=ワシントン 稲垣千駿 徳島慎也

 円安が止まらない。対ドルの円相場は13日、一時、1ドル=135円台まで下がり、約20年ぶりの円安水準になった。この3カ月でドルに対する円の下落幅は約20円となり、異例のスピードだ。急速に進む円安の背景には何があるのか。

 この10年間でわずか3カ月で20円ほど円安が進んだ局面は3回だけだ。アベノミクスのもとで大規模な金融緩和の導入を掲げた安倍政権が発足した後の2012~13年、日銀が大規模な金融緩和策を拡大した14年。直近では、16年の米大統領選でトランプ前大統領が当選し、財政拡大による景気回復への期待からドルが買われる形でドル高円安が進んだ。

 今回の円安進行の最大の要因は、米国の長期金利の上昇による日米の金利差の拡大だ。投資家らはより高い利回りを求めて運用するため、金利の高い国に資金が流れ込みやすい。

 物価高が続く、米国では中央…

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この記事を書いた人
徳島慎也
経済部
専門・関心分野
経済政策
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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年6月13日22時2分 投稿
    【視点】

    この傾向が続くと、来年には「日本のGDP、世界4位に転落」という報道が出るかもしれない。国際比較はドル換算だからだ。 もっとも現段階では、ユーロもドルに対し下がっているので、「円安」というよりは「ドル高」だという傾向もある。しかしEC

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    明石順平
    (弁護士・ブラック企業被害対策弁護団)
    2022年6月15日23時37分 投稿
    【視点】

    記事では「円安による物価高が消費を押し下げる」と指摘しているが、既に戦後最悪の消費停滞が発生していたことはあまり知られていない。 下記はGDPの50%以上を占める家計最終消費支出(実質)の推移である(単位は兆円)。 2013年 296.

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