朝鮮出兵、秀吉は戦況悪化を知ってた?北政所への自筆書状が公開中

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町田正聡
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 豊臣秀吉が妻の北政所(きたのまんどころ)に宛てた自筆の書状が島津家の一族が所蔵する史料から見つかり、鹿児島県歴史・美術センター黎明館の企画展で公開されている。明(中国)の征服を目指して朝鮮に出兵した文禄の役(1592~93)のさなかに出されたものとされ、同館の担当者は「野望を強気でつづる一方、戦況の悪化を認識していたことがうかがえる貴重な史料」と話す。

 書状は縦約28センチ、横約42センチ。2020年1月、所蔵していた加治木島津家の子孫が同館に寄託した。加治木島津家が所有した経緯は分かっていないという。

 同館は東京大学史料編纂(へんさん)所と協力し、筆跡などから秀吉自筆のものと確認した。秀吉の自筆書状は100点あまり見つかっているが、県内では初めてという。前の部分が欠落しているが、見つかっていない。

 書状は国内の軍事拠点が置かれた肥前・名護屋佐賀県)に秀吉が滞在中に出された。日付から、1592(天正20)年6月3日に書かれたと推定される。

明を征服する構想、時期を後ろ倒し

 書状には「当年中には唐国(…

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