「アベノミクス批判するのか」安倍氏怒りの電話 許せなかった言葉

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楢崎貴司 中田絢子
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 歴代最長を記録した安倍晋三政権の遺産にどう向き合うか。時代の要請ともいえる議論で、自民党内の路線対立が表面化した。経済政策アベノミクス」をめぐり大立ち回りを演じたのは、ほかならぬ安倍氏である。

 5月19日、自民の財政再建派を中心とする財政健全化推進本部の会合後、安倍氏(67)は、自らの派閥に属する越智隆雄・元内閣府副大臣(58)の電話を鳴らした。「君はアベノミクスを批判するのか?」。声は怒気をはらんでいた。

 推進本部で事務局長を務める越智氏は「批判はしていません」と理解を求めたが、安倍氏は「周りはアベノミクスの批判だと言っているぞ」と迫った。「僕はアベノミクス信奉者です。だって、(経済政策を担う)内閣府の副大臣を2回もやったじゃないですか」。越智氏がそう訴えると、安倍氏は「そうだな」と電話を切った。

 だが、話を終えても安倍氏は…

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    プチ鹿島
    (時事芸人)
    2022年6月4日11時44分 投稿
    【視点】

    5月31日の大分合同新聞に面白い記事がありました。「安倍・菅・岸田、3人の総理を一言で表すと」。話していたのは後藤謙次氏(共同通信社・客員論説委員)。 それによると「反論する安倍さん、沈黙する菅さん、大きくうなずく岸田さん」だそうです

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    佐藤武嗣
    (朝日新聞編集委員=外交、安全保障)
    2022年6月2日16時21分 投稿
    【視点】

     歴代最長政権として、長きにわたって権力の座にいた安倍元首相。その政権運営には、「権力の私物化」や「説明責任を果たさない」などと批判されてきた。だが、最近は安倍政権が推し進めた政策にも、ネガティブな側面が次々表面化し、旗色が悪くなっているこ

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