あれもこれも輸入頼りだったロシア「初めて知った」 国産化阻む壁は

有料記事

 ウクライナ侵攻による経済制裁の影響を回避したいロシアが、思わぬ壁にぶち当たっている。国内で輸入品の代替生産を増やす方針だが、ワインや書籍など想像以上に多くの商品の生産に必要な素材を外国に頼っていた。グローバル経済から孤立する中で、思惑通りに国産化を進められるのだろうか。

 「初めて知ったが、我々は釘を輸入している。多くの金属を生産している国なのにつくっていない」

 ロシア上院のマトビエンコ議長は14日の会議で輸入代替が議論された際、こう述べ、中小企業を誘致するよう呼びかけた。

 2月24日の侵攻開始後、欧米を中心に多くの企業がロシアからの撤退・事業縮小や同国内の店の一時閉鎖を決めた。独メルセデス・ベンツ、米アップル、スイスに本社を置く食品大手ネスレ、ユニクロ……。食品、衣料からスマートフォンや自動車まで、幅広い製品が手に入りにくい状況となった。

 制裁に対抗し、輸入品の代替品を国内で増産しようとしているが、製造に必要な様々な基礎的な素材も輸入に頼っていたことが、次々と明らかになっている。

 出版業界では高品質の紙の不…

この記事は有料記事です。残り599文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年4月18日9時50分 投稿
    【解説】

    ロシアの輸入代替というのは、古くて新しいテーマである。特に、2014年に前回のウクライナ危機が発生すると、プーチン政権は輸入代替の大号令をかけ、食品から軍需産業、コンピュータソフトに至るまで、国産化を目指した。 一応、その成果は見られる。

    …続きを読む
ウクライナ情勢

ウクライナ情勢

2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始しました。国際社会の動きや、現地の様子などのニュースをお伝えします。[もっと見る]