元編集長が「食えない仕事」に感じたエネルギー 野菜に見いだす物語

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黒田早織
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 大手出版社KADOKAWAの編集長から、農業など第1次産業の経営コンサルタントに。異色の転身をした男性が埼玉県内にいる。事業を始めて約1年。二つの仕事には意外な共通点があるという。

 いまここランド合同会社所沢市)は「農家の『お困りごと』を解消する、課題解決パートナー」をうたう。代表の江守敦史(あつひさ)さん(49)が編集者を辞め、2年前に設立したコンサルティング会社だ。

 なぜ、第1次産業は「食えない仕事」なのだろう。転身の背景には、そんな問題意識があった。

 編集長を務めた後、全国の農家や漁師などの生産者を紹介する情報誌の編集に3年ほど携わった。自分たちが食べるものをゼロから生み出す。火を自力でおこす。壊れた機械をあっという間に直す。仲良くなった各地の生産者は「生きる力」にあふれていると感じた。

 翻って自分はといえば、肩書はあっても「都会のビルの中にいて、名刺しか持っていないサラリーマン」。生産者への敬意が自然と募った。

頼られるパートナーとして

 だが、生産の現場では、経営…

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